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FIELD NOTE 03

販促の実践

QRコード効果測定ガイド

チラシの効果測定を、配布前から設計する。QRコードで比較する実践手順

チラシの効果測定を感覚で終わらせないための設計手順。配布場所・紙面ごとのQRコード、反応率の計算、問い合わせ・売上までつなぐ方法を具体例で解説します。

執筆・検証:磯江 亮太約11分

30秒で分かる結論

チラシの効果測定は、配る前に「何を比べるか」を決め、比較単位ごとにQRコードを分けるところから始まります。スキャン数だけでなく配布枚数、問い合わせ、購入を別々に残すと、入口・サイト内行動・成果の3段階で改善点を判断できます。

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チラシの効果測定は、配り終わってからでは遅い

配布前に比較単位・分母・成果地点を決めておく。これが、ダッシュボードを見ることより重要です。

チラシを5,000部配って問い合わせが10件来ても、「どの配布場所が効いたか」「紙面AとBのどちらを残すか」は、合計だけでは判断できません。全チラシに同じQRコードを載せ、配布部数も記録していなければ、配布後に分析で取り戻すことはできません。

最初に作るべきなのはレポートではなく、何を比べるために、どの入口を分けるかという測定表です。Excelやスプレッドシート1行でも構いません。次の項目を配布前に埋めます。

  • 目的:認知、サイト訪問、予約、来店、購入のどこを増やす施策か。
  • 比較軸:配布地域、配布場所、紙面デザイン、オファー、配布時間のどれを比べるか。
  • 配布数:納品数ではなく、実際に配った部数を版・場所ごとに残せるか。
  • 入口:比較単位ごとに別QR、専用電話、クーポンコードなどを用意したか。
  • 成果:問い合わせ、予約、購入などを何のデータで照合するか。
  • 費用:印刷・制作・配布・計測・値引き原資をどこまで含めるか。
  • 期間:配布日だけでなく、反応を待つ締め日をいつにするか。
02

入口・サイト内行動・事業成果を、3段階で測る

スキャン数だけでも、売上だけでも足りません。途中のどこで差が生まれたかを分けます。

FLYER FUNNEL

段階観測する数字主な方法差が出た時の読み方
入口QRアクセス、電話、コード利用QR計測、専用番号、クーポン紙面から行動を起こした量・効率
サイト内セッション、閲覧、フォーム開始GA4、フォーム分析到着後に内容が伝わったか
成果問い合わせ、予約、購入、粗利CRM、予約台帳、注文データ事業結果へつながったか

QRコードで拾えるのは、QRを選んだ反応だけ

紙面を見て店舗名を検索した人、チラシを持って直接来店した人、電話した人はQRスキャンへ入りません。したがって「QRの反応率」はチラシ全体の閲読率でも、全反響率でもありません。チラシに電話番号があるなら専用番号、店頭なら版ごとのクーポンコードも組み合わせると、QRを使わない反応を補えます。

数字が落ちる地点で改善内容が変わる

スキャンが少ないなら、配布先、見出し、QRの位置、行動を促す文言を見直します。スキャンは多いのにフォーム開始が少ないなら、遷移先の内容や表示速度が課題かもしれません。フォーム開始は多いのに完了しないなら、入力項目や条件説明を確認します。3段階に分けると、紙面だけを責める誤診を避けられます。

03

比較単位ごとにQRコードを分け、名前に条件を残す

同じURLへ送る場合でも、入口のQRは別にします。QR名は、3か月後の自分が読める名前にします。

  1. 01

    今回の比較軸を1つ決める

    配布場所を比べるのか、紙面デザインを比べるのかを決めます。両方を同時に変えるなら、その組み合わせ単位で実績を見ると割り切ります。
  2. 02

    比較単位ごとに別QRを発行する

    「新宿駅東口」「新宿駅西口」または「見出しA」「見出しB」のように、結果を分けたい単位で1本ずつ作ります。
  3. 03

    管理名へ条件を入れる

    例:2026夏_新宿東口_A5_訴求A。場所・版・サイズ・期間のうち、分析に必要なものを固定順で並べます。
  4. 04

    遷移先へUTMを付ける

    GA4でも区別する場合は、QRごとにutm_contentなどを変えます。QR管理名とUTM値の対応表を同じ測定表へ残します。
  5. 05

    実物を読み取り、対応を照合する

    入稿前に、印刷版のラベル、QR管理名、遷移先、UTMが同じ行を指しているか確認します。
codelytics / report / media
CodeLyticsの実際の媒体別比較画面。関東版チラシ、関西版チラシ、店頭ポスターのスキャン数を表示
媒体別パフォーマンス比較したい単位ごとにQRを分け、結果を横並びにする(合成デモデータ

QRコードを印刷した後も行き先を変えたい場合は、静的ではなく中継型を選びます。仕組みと利用期限の注意点はダイナミックQRコードとはで確認してください。

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反応率・CVR・CPAは、分母を必ず書く

同じ「反応率」という言葉でも、スキャンを数えたのか、問い合わせを数えたのかで意味が変わります。

FORMULA SHEET

指標計算式使いどころ注意
QRアクセス率QRアクセス数 ÷ 実配布部数 × 100入口への反応を版・場所で比較配布部数が分かるチラシ向け。延べアクセスを分子にするなら明記
問い合わせ反響率問い合わせ件数 ÷ 実配布部数 × 100チラシ全体の問い合わせ効率QR以外の電話・来店を含める範囲を定義
スキャン後CVR成果件数 ÷ QR経由セッション数 × 100遷移後ページの効率スキャン数とGA4セッションは一致しないため分母を混ぜない
CPA施策総費用 ÷ 獲得件数1件獲得する費用を比較制作・印刷・配布・計測・値引きの範囲をそろえる
ROAS施策経由売上 ÷ 広告費 × 100売上回収の比較売上の紐付け方法と、広告費に含めた範囲を書く

ポスターは「配布部数」を分母にできない

ポスターや店頭POPは、何人が見たかという分母を正確に持てません。この場合、無理に反応率を作らず、1掲出日あたりのQRアクセス数、店舗・場所別のアクセス数、営業時間帯別の分布として比較します。通行人数の調査値があるなら別途併記しますが、スキャン数だけから閲読率は出せません。

05

架空の比較例:量が多い入口と、効率が良い入口は違う

合計スキャンの順位だけで、次回の配布数を決めない例です。

ここでは計算方法を示すため、架空のチラシ施策を置きます。A・Bとも同じ紙面、同じ週、同じ遷移先とし、配布エリアだけを変えた想定です。

SAMPLE DATA — 架空の数値

配布エリア実配布QRアクセスアクセス率予約費用予約CPA
A:駅前4,000部1203.0%6件120,000円20,000円
B:住宅街2,000部804.0%8件70,000円8,750円

スキャンの絶対数はAが120で上ですが、実配布部数で割るとBの入口反応が高く、予約数とCPAでもBが優位です。次回はBを増やす仮説が立ちます。ただし、地域ごとの客層や既存認知が違う可能性は残ります。「Bの地域だから必ず効く」と断定せず、同じ条件でもう1回再現するかを見ます。

反対にAは、スキャン後の予約率が6 ÷ 120 = 5.0%、Bは8 ÷ 80 = 10.0%です。同じ遷移先なら地域と商品相性、違う遷移先ならページ内容も候補になります。このように入口と成果をつなぐと、配布量だけでは見えない差が出ます。

06

結果は「残す・変える・確かめる」の3行にする

報告書の最終ページに必要なのはグラフの感想ではなく、次回の変更案です。

  1. 01

    残す

    比較条件の中で良かった入口・訴求・配布時間を、数字と定義付きで残します。「B地域はQRアクセス率4.0%」のように分母も書きます。
  2. 02

    変える

    次回に変更する要素を1つ決めます。配布数、見出し、特典、QR周辺の文言など、実行できる単位へ落とします。
  3. 03

    確かめる

    いつ、どの条件で再測定するかを決めます。1回の勝敗だけで固定せず、季節や曜日が変わっても傾向が続くか確認します。

CodeLyticsを使う範囲

CodeLyticsでは、比較したい配布場所・紙面ごとにQRコードを発行し、QR別の総スキャン、日時、推定地域、端末を1案件で並べられます。画面の集計はPDF・CSVへ出力できるため、入口の比較表を作る工程を短くできます。

一方、配布部数、印刷費、問い合わせ、予約、購入は自動では入りません。これらは測定表や業務データで持ち、CodeLyticsのQR別スキャンと結合します。サイト内の行動はGA4とUTMの設定手順を併用してください。

本文は上記の公開情報とCodeLyticsの実装仕様を照合して作成しています。各サービスの画面・仕様は変更される場合があります。

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